ミドル臭の食事による対策
まずは基本知識をおさえましょう
1 皮脂の分泌量を減らす
皮脂を分泌すればするほどニオイが発生。ジアセチルとのコラボを防ぐ
2 皮脂を酸化させない
酸化すると常在菌による分解が始まってニオイにつながる
3 汗に含まれる乳酸を減らす
ジアセチルの発生を軽減
4 肝臓をいたわる食事を心がける
肝機能の低下が皮脂量を増やす
1 皮脂の分泌量を減らす
摂取するべき栄養素はビタミンB群。減らすべきものは糖質。
ビタミンの不足は皮脂分泌のバランスを乱します。
そうならないように積極的に摂取したいのはビタミンB群で、特にビタミンB2とB6です。
これらはニキビの薬にも配合されています。
過剰に摂取しても尿として排出され、体に蓄積しません。
ですので、毎日摂取する必要がある栄養素です。
ここにビタミンB2を多く含む食品で、日常の食卓に上げやすいものだけピックアップしてみました。
今後、これらの食材を使った独身男でも作れる簡単メニューを公開予定です
ただし、肉類、乳製品はB2は多くても別の理由で体臭の発生源になるのでここでは除いています。
ビタミンB2
目立つのはキノコ類で、じめじ、まいたけ、マッシュルーム、エリンギ、しいたけ。
一般野菜では、モロヘイヤ、そら豆、春菊、かいわれ、ニラ。
果物では、アボガド
魚介類では、いくら、たらこ、いわし、さば、さんま、あじ、しじみ、カレイ、ヒラメ、ホタルイカ。
ビタミンB6
野菜では、にんにく、モロヘイヤ、ししとう、ブロッコリー、ピーマン。
果物では、バナナ、アボガド。
魚介類では、マグロの赤身、あじ、いわし、さんま、さば。
1-1 糖質を減らす
糖質は皮脂を生成する材料になる物質ですので、摂取を控えたい食べ物です。
B2にはこの糖質の代謝を促す働きがあるのですが、糖質をとりすぎてしまうと、その代謝のためにB2を消費してしまうことになります。
B2の量が十分確保できないと皮脂が増えてしまいます。
そのためにも、糖質を控えてB2の補給を心がけてください。
1-2 甘いと感じるものだけが糖質ではない
甘いものをあまり食べなくても、日常の生活であまり意識しないで食べているもの。
それは主食である炭水化物です
あれみんな糖分を多く含んでいるんですよ。知ってた?
僕は毎食、ご飯3杯食べてますよ!!
じゃもう食べるなってことですか?
ただし、量を控えることは必要です
まず、どれだけ糖分が入ってるか図を見たらわかりやすいでしょう
毎日食べるもの | 分量 | グラム | 糖質(グラム) |
白米 | 茶碗一杯 | 150 | 55.1 |
食パン | 一枚 | 60 | 26.5 |
ラーメン | 一杯 | 230 | 69.7 |
そば・うどん | 一杯 | 220 | 52.0 |
焼きそば | 一皿 | 230 | 73 |
カップラーメン | 一杯 | 65 | 43.7 |
甘いものと比べてみると・・
ショートケーキ | 一個 | 110 | 51 |
大福 | 一個 | 70 | 35.2 |
2 皮脂を酸化させない
「過酸化脂質」という物質は、活性酸素によって酸化した脂肪のサビのようなもの。
中年になると抗酸化力が低下するために過酸化脂質が増加します。
これにより、頭部に出る皮脂の成分も酸化しやすい状況が生まれ、ニオイの発生につながっていくのです。
これを防ぐために摂取するべき食品は抗酸化作用のあるものです。
ビタミンC、E、カロチノイド類、ポリフェノール類が有効です。
ここでも簡単に手に入るものだけピックアップします。
ビタミンC
野菜では、ピーマン、パセリ、プロッコリー
果物では、レモン、柿、キウイ、苺、オレンジ
ビタミンE
野菜では、モロヘイヤ、かぼちゃ、ピーマン、パセリ、ニラ、ブロッコリー
果物では、梅、アボガド
魚介類では、あんこうの肝、いくら、たらこ、ホタルイカ
カロチノイド類
Bカロチン | しそ、モロヘイヤ、人参、パセリ |
リコピン | トマト、すいか、グレープフルーツ、柿 |
アスタキサンチン | 鮭、金目鯛、海老、いくら |
ルティン | ほうれん草、レタス、ブロッコリーグリーンピース |
ゼアキサンチン | ほうれん草、卵黄、とうもろこし、ブロッコリー |
グリプトキサンチン | みかん、はっさく、柿 |
ポリフェノール類
ポリフェノールは野菜や果物の「渋み」や「苦み」のある部分に多く含まれています。
漢方薬にもよく使われていて「良薬は口に苦し」とはよく言ったものです。
ちゃんと根拠があるんですね。
皮に多く含まれているので、調理のときに剥いて捨てちゃうなんてもったいない。
ちゃんと有効利用してくださいね。
また、水に溶けやすいという性質ですので、栄養を逃がさないようにするには、スープや鍋物のように全部飲める方法がいいでしょう。
それから、ポリフェノールは体内に長く残らないという性質もあります。
4-5時間で消えてしまうので、随時補給することが望ましいです。
飲み物から摂るという方法ならば可能でしょう。
では、どんな食品にポリフェノールが多いかというと、
一般食品では、蕎麦、玄米、豆類、ターメリック
野菜では、ほうれん草、玉ねぎ、じゃがいも、トマト、人参、大根、茄子、生姜
100g当たり | ||
1位 | ほうれん草 | 105mg |
2位 | 玉ねぎ(日本人が最も摂っている方法) | 65mg |
3位 | じゃがいも | 45mg |
4位 | トマト | 40mg |
5位 | 人参・大根 | 15mg |
※ ↑参照元 主治医が見つかる診療所
果物では、ぶどう
飲み物では、赤ワイン、抹茶、コーヒー、緑茶、ココア
そして弱点がないと言われている長所のみの調味料「酢」も抗酸化作用があります。
酢の中でも特にバルサミコ酢は穀物酢の9倍ものポリフェノールを含んでいますので、是非レシピに加えたいこのです。
2-1 揚げ物がよくないと言われる理由
揚げ物の食べ過ぎは体によくないというのは誰でも知っていますよね?
その理由はあの油なんです。普通、揚げ物にはサラダ油が使われています。
そもそもサラダ油は熱に弱く、揚げ物や炒め物ひは不向きな上に酸化しやすい性質を持っています。
揚げ物の油は一度の使用で捨てられることはなく、再利用されていますね?
おそらく皆さんの家庭でもそうでしょう。
ただでさえ酸化しやすい油を再利用なんてもってのほか。
サラダ油は過酸化脂質になる食品なのです。
こして(ろかして)きれいにすればいいんじゃないですか?
一回で捨てるなんてもったいないですよ
汚く体に悪い脂質になる油。
こうした油を摂らないためには、できるだけ調理法で「揚げる」という方法を選択から外すのが賢明です。
もし揚げ物をするなら値段は高いですがオリーブオイルを使ってください。
オリーブオイルは熱に強く、揚げ物に適している油なのです。
3 汗に含まれる乳酸を減らす
「筋グリコーゲン」は糖質の一種で筋肉を動かすエネルギーです。
運動によって筋グリコーゲンが分解してATP(アデノシン三リン酸)と乳酸が発生します。
乳酸は体のエネルギー源として再利用されるのですが、発生量が消費量を上回ると余りは体に蓄積されていくのです。
乳酸を溜めないための運動法というのも世間では提唱されています。
クエン酸は乳酸の生成、蓄積を抑える働きがある上に、活性酸素を取り除く効果もありますので抗酸化作用も期待できる物質です。
巷でクエン酸は体臭予防に効くと言われているのは、こういった理由からだったのです。
一般的には酸味の強いものに多く含まれています。
代表的なものは梅干し、レモン、オレンジです。
それからクエン酸が豊富でどんな料理にもアレンジしやすいのが酢です。
4 肝臓をいたわる食事を心がける
肝臓機能の衰えは皮脂量を増す原因になります。
肝臓のためにはバランスのよい食事を時間が不規則にならないように摂ることが大切です。
4-1 塩分の摂りすぎに注意
油が多い物はもちろん、塩分を摂りすぎないようにする注意が必要です。
塩分は人が好む調味料の代表格。人は塩分が多いと 美味しく感じるものなのです。
とは言っても、毎日忙しい中、コンビニの弁当で済ます人も少なくないはず。
しかし、外食や弁当は揚げ物も多く、過酸化脂質になる食品は肝臓に負担をかけてしまうのです。
さらには、弁当に使用される加工食品や冷凍などの保存食品には塩分も多く含まれています。
体臭の予防になる食事は薄味が基本になります。
やはり食事は自分の手でコントロールするのが理想なのです。
濃く、塩気の強い味付けを避ける方法のひとつとして、レモンや酢、あるいは生姜やミョウガなどの薬味を利用する手があります。
塩に頼らない薄い味でも満足いく食事に早変わりです。
4-2 主食+主菜+副菜×2+味噌汁
基本的にはご飯(主食)は小さい茶碗を一杯にして、主菜+小鉢2つ(副菜)に味噌汁といった定食スタイルがいいでしょう。
たとえば、ご飯(主食)サバの塩焼き(主菜)に大根と人参の煮つけ(副菜)タコとわかめの酢の物(副菜)エノキ入りの味噌汁です。
また、良質なタンパク質を豆類、魚から摂るようにして、肉は摂りすぎない注意が必要です。
主菜となるものは、ときにはステーキでもかまいません。肉だって本来かかせない栄養素です。
美味しいので摂りすぎてしまうところに問題があるだけです。
肝臓をいたわる食事の秘訣は副菜の2つの小鉢にあります。
手間をかけず簡単にさまざまなバリエーションを作れてしまうのが魅力です。
バランスのよい食事は2つの小鉢で調整しましょう。
ここで登場するのが万能調味料の「酢」です。
酢には「酢酸」という成分が含まれていて、血糖値を下げる、血圧を下げる、内臓脂肪を減らす、抗酸化作用もあるなど、体にいいことが盛りだくさんです。
さらにお酢は加熱で栄養素を失うなどの弱点がない最強の調味料なのです。
肝臓は食品のタンパク質を分解してアミノ酸を作っています。
その作業の繰り返しで肝臓は段々疲れてきます。
体内には人体では作ることができないアミノ酸が9つあるのですが、「黒酢」にはそのうちの8つが含まれています。
黒酢からアミノ酸を摂取すれば、肝臓は休息することができるのです。
リンゴ酢にはカリウムが豊富で(穀物酢の15倍)塩分を体外へ排出する働きをしてくれます。
但し、腎臓が悪い人はカリウムを摂りすぎると問題ありと医師が関わるウエブサイトなどでも注意しています。お気を付けください。
バルサミコ酢にはポリフェノールが穀物酢の9倍もあり、強い抗酸化力で活性酸素を抑えることができます。
詳しくは酢を使った小鉢のレシピをご覧ください。
4-3 タウリンは肝臓の救世主
「タウリン1000mg配合!!!!」(たったの1g…)
というCMのおかげで、タウリンを知ってる人は多いと思います。
あの有名な健康ドリンクのCMですね。
体内の機能が働き過ぎたり、低すぎたりしたとき、それらを改善させてバランスをとる役目をする栄養素です。
過剰に摂取しても体外へ排出されますので問題ありません。
タウリンはアミノ酸の一種で、魚介類、特にカキ、イカ、タコなどの軟体動物に多く含まれています。
肝臓内の中性脂肪を取り除いて排出したり、アルコールの分解を早めたりなどの威力を発揮します。
もう少し具体的に説明しますと、アルコールを摂取すると、肝臓で2度の分解が行われるため肝臓に負担がかかります。
1度目はアルコールがアセトアルデヒドに分解され、次に酵素によって2度目の分解が行われます。
タウリンにはこの酵素の働きを助ける作用があるため、肝臓の負担を減らしてアルコールの分解を早くするのです。
ちなみに
「タウリン1000mg配合!!!!」(たったの1g…)
食品と比較するとどの程度かと言いますと(食品100g中の含有量)サザエ1500mg、はまぐり1080mg、柿130mg、タコ830mg、イカ770mg、ホタテ670mgとなっています。
健康ドリンクと比べてもあまり変わりはありません。
食事でも十分同等の量が摂取できますね。
また、健康ドリンクの場合は糖分の含有量も気を付けなければいけません。
まとめ
このページでは主に「皮脂」について解説しました。
皮脂がミドル臭に大きな関わりがあり、その分泌量を抑えたり、酸化を軽減させることがミドル臭対策にダイレクト効果が期待できます。
ほんの少し食事に気を配るだけで、明らかな改善を感じられるでしょう。
体臭の問題だけにとどまらず、生活習慣病から成人病にまでいい影響を与える最強の体臭改善方法なのです。